〈帝京大学シルクロード叢書〉創刊記念トークイベントが開催されました
2025年3月31日
3月28日(金)、「帝京大学シルクロード叢書」創刊を記念したトークイベント「シルクロードを掘る、読む、語る」を、紀伊國屋書店新宿本店〈アカデミック・ラウンジ〉にて開催しました。
登壇したのは、帝京大学文化財研究所所長・帝京大学シルクロード学術調査団長にして、本叢書の編者でもある山内和也・帝京大学教授。大学時代に考古学を志し、戦時下のイラン・テヘラン大学大学院留学を経て、平山郁夫氏(東京藝術大学元学長・文化勲章受章)のもとでシルクロードの調査研究に携わることになった若き日のこと、さまざまなプロジェクトに関わっていく中で中央アジア諸国との関係を深め、それがこの10年近く続けられているアク・べシム遺跡(スイヤブ・砕葉=キルギス共和国)の発掘調査につながっていることなど、興味深いお話を聞くことができました。
「シルクロードとは東から西に向かう道ではなく、西から東へと戻る道だ」という山内教授の見立てからすると、アク・べシム遺跡はまさに東西文明の結節点。「スイヤブはソグド人と中国人が共存または共生し、その周りを遊牧民族が取り囲んで暮らしていた」と考えられるのですが、それが具体的にはどのようなものだったのか、今後の成果を期待させるお話もありました。
そして終了後は参加者の方々と活発な質疑応答も交わされ、実り多い時間を共有することができました。
シルクロード研究の成果と魅力をお伝えする「帝京大学シルクロード叢書」は、4月以降も刊行を重ねていく予定です。ご愛読をよろしくお願い申し上げます。