ミステリー作家漱石の謎を解く ―百年計画で斃すべき敵の正体―
ご注文
文学の形式はF+fと言った夏目漱石は何を伝えたかったのか。著者によれば、Fは表の物語で、fこそが物語に隠された本当の主題だ。この入り組んだ二重構造に気づかずFの筋だけを追うと一見幻想的な彽徊(ていかい)文学と誤解する。著者は文豪をミステリー作家ととらえ、『坊っちやん』『三四郎』『吾輩ハ猫デアル』等に仕掛けられた謎を特別な鍵を使って推理する。鍵の一つは日露戦争の旅順攻囲戦で死んだ日本陸軍兵士。もう一つは主人公=シテが亡霊として現れる能楽の夢幻能。
大胆かつ精緻な推理により『草枕』の那美、『三四郎』の美禰子がマドンナではなく、亡霊の「迷女(まどんな)」であることを明らかにする。fの扉が開いた時、百年計画で斃(たお)すと漱石の言った「敵」がいよいよ正体を現す。最後に読者はもう一つ驚かされる。「敵」は斃されずに今も生きていることを知るからだ。
著 | 古山和男 |
発行 | 2024年4月10日 |
判型 | 新書(B40) |
頁数 | 202 |
ISBN | 978-4-434-33829-8 |
定価 | 1,000 円(本体価格 909 円+税) |
第一章 『趣味の遺伝』 夢幻能小説の原型
第二章 『坊っちゃん』 誤解された「マドンナ」
第三章 『虞美人草』 ヒロインそしてマドンナ
第四章 『草枕』 幽玄にして綺麗な夢幻能
第五章 『三四郎』 夢幻能小説の集大成
第六章 承前『三四郎』 ストレイシープの謎掛け
第七章 『吾輩ハ猫デアル』 化猫が語る時事風刺
第八章 その他の作品 『琴のそら音』など
第二章 『坊っちゃん』 誤解された「マドンナ」
第三章 『虞美人草』 ヒロインそしてマドンナ
第四章 『草枕』 幽玄にして綺麗な夢幻能
第五章 『三四郎』 夢幻能小説の集大成
第六章 承前『三四郎』 ストレイシープの謎掛け
第七章 『吾輩ハ猫デアル』 化猫が語る時事風刺
第八章 その他の作品 『琴のそら音』など